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Exploring tactile perception and personalized interaction.
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About me

たかなり まあき

高成 真輝 - Maaki Takanari

1999年12月11日生まれ。北海道旭川市出身。

東北大学大学院工学研究科ロボティクス専攻
博士課程後期2年
医療福祉工学講座 
田中(真)・奥山研究室 所属

研究テーマ

触覚の個人差の解明

テーラーメイドな触感設計

木材感の設計

2025.4 - 現在

日本学術振興会 特別研究員DC2

2024.4 - 2025.3

東北大学高等大学院博士後期課程学生挑戦的研究支援プロジェクト生
(国立研究開発法人 科学技術振興機構 次世代研究者挑戦的研究プログラム)

2023.4 - 現在

東北大学 グリーン×デジタル産学連携共創大学院プログラム生

2022.4 - 2024.3

公益財団法人山田満育英会 奨学生

経  歴

博士課程|2024.4 - 現在

東北大学大学院 工学研究科 ロボティクス専攻

修士課程|2022.4 - 2024.3

東北大学大学院 工学研究科 ロボティクス専攻
修論題目:指腹部の皮膚状態と触覚知覚の関係に関する研究

学  士|2018.4 - 2022.3

室蘭工業大学 工学部 機械航空創造系学科
卒論題目:層状皮膚モデルと円環状検出領域を用いた皮膚の分光反射率シミュレーション

研究業績

国際学会発表
  • Maaki Takanari, Takeshi Okuyama, Cyril Pailler-Mattei, Mami Tanaka, “Study on the relationship between the skin properties of the finger pad and vibration perception”, The 20th International Conference on Precision Engineering, Oct. 2024, Miyagi, Japan.
国内学会発表
  • 高成真輝, 奥山武志, 田中真美, “木材感に関与する触感および物理特性の解明に関する研究”, 日本機械学会2025年度年次大会, 2025.9, 北海道.
  • 高成真輝, 奥山武志, 田中真美, “垂直及び水平振動刺激に対する指先の知覚とヤング率の関係に関する研究”, IIP2025, 2025.3, 山口.
  • 高成真輝, 島田遥加, 奥山武志, 田中真美, “木材感と表面特性の関係に関する研究”, 日本機械学会2024年度年次大会, 2024.9, 愛媛.
  • 高成真輝, 奥山武志, 田中真美, ”指腹部の機械的特性と振動知覚に関する研究", 第32回MAGDAコンファレンス, 2023.11, 石川.
  • 高成真輝, 奥山武志, 田中真美, "水分量が異なる指腹部の機械的特性と粗さ感知覚特性の関係解明に関する研究", IIP2023, 2023.3, 福岡.
  • ・川村隼斗, 八木沼優, 田村光, 高成真輝, 湯浅友典, 相津佳永, "皮膚伝搬光子に関する平均浸透深さと検出エネルギーのシミュレーション", 第69回応用物理学会春季学術講演会, 2022.3, オンライン.
  • 高成真輝, 八木沼優, 川村隼斗, 田村光, 湯浅友典, 相津佳永, "円環状検出領域を想定した皮膚の分光反射率シミュレーション", 第57回応用物理学会北海道支部/第18回日本光学会北海道支部合同学術講演会, 2022.1, オンライン.
  • ・川村隼斗, 八木沼優, 田村光, 高成真輝, 湯浅友典, 相津佳永, "皮膚伝搬光子に関する平均浸透深さと検出エネルギーの考察", 第57回応用物理学会北海道支部/第18回日本光学会北海道支部合同学術講演会, 2022.1, オンライン.
  • ・八木沼優, 高成真輝, 山田幸生, 湯浅友典, 相津佳永, "可視領域における皮膚の吸収散乱変化にともなう内部伝搬光のシミュレーション", OPJ2021, 2021.10, オンライン.
受賞歴
  • 高成真輝, 情報・知能・精密機器部門 ベストプレゼンテーション表彰, “木材感と表面特性の関係に関する研究”, 日本機械学会, 2025.3
  • 高成真輝, 日本機械学会 三浦賞, 日本機械学会, 2024.3
  • 高成真輝, 奥山武志, 田中真美, 日本AEM学会 MAGDA優秀講演論文賞, 日本AEM学会, 2023.11

Research

Research poster: Relationship between finger pad Young’s modulus and VPT (overview)

研究概要

 オンラインショッピングで洋服の滑らかな肌触りを確かめられたり、店頭に並ぶシャンプーのしっとり、さらさらタイプなどの違いが分かったりしたいと思ったことはないでしょうか。 私は、そのような誰もが『触感』を共有できる技術の実現を目指し、その基盤となる触覚のメカニズムを解明する研究をしています。医療の現場で用いられている触診や、衣類や化粧品の製品開発の分野で行われている、「触り心地」の評価は、熟練者の感覚に頼っています。これは非常に主観的で、人によって感じ方が違うため、他者との感覚の共有は困難であったり、技能の継承は容易ではないという課題があります。このため、触感を定量的に評価するための触感センサが開発されていますが、既存の触感センサの多くは対象物の物理特性を測定することに特化しており、人の触感覚を評価できる触感センサは未だ開発されていません。 この物性値と人の感覚が結びつけられていない最大の原因は、触覚の『個人差』にあると考えました。この個人差の要因には、好みや経験などの『認知』に加え、『皮膚特性』が重要です。なぜなら、触覚を感じるセンサーは皮膚の内部にあり、皮膚表面の硬さなどによってセンサーに伝わる刺激そのものが、人それぞれ変わってくるためです。


 そこで私の研究は、この皮膚特性が触覚にどう影響するかを解明し、人の感覚を正しく測れる新しいセンサー技術の基盤を作ることを目指しています。 その方法が、測って、モデル化して、応用するという3つのステップです。 中でも、本研究の一番のミソは、皮膚特性の影響を調べるための実験方法にあります。通常は他人と比較しますが、私は『同じ人の皮膚の状態を一時的に変化させる』という方法を考案しました。これにより、「好み」といった心理的な影響を完全に排除し、純粋な皮膚特性だけの効果を正確に捉えることができます。 そして、計測したデータから、『混合効果モデル』という、“個人差”のような複数の要因が混ざったデータから、それぞれの影響度合いを分けて分析できる統計手法を用いて、振動感覚への影響をモデル化します。このモデル化によって、こちらのような感度関数が求まり、個性を可視化することができます。最終的には、この個性のデータを既存のセンサー出力と組み合わせることで、ただの物理測定ではない、人の感覚に近いアウトプットが出せるようになります。


 グラフは、横軸が皮膚の硬さ、縦軸が振動に対する感度をプロットした結果となっており、皮膚の状態を変化させると、振動の感じ方も変わることを確認しました。しかし、その変化の仕方にまで個人差がある、という興味深い結果が得られています。この実験は複数日に渡って計測しました。そのため、観測された変化が、意図した処理によるものか、あるいは日々の体調のような生理的な揺らぎによるものか、見極める必要が出てきました。そこで、この生理的変動がどの程度のものなのかを定量的に評価する実験を行いました。これがわかれば、皮膚特性変化の処理が有意なものなのかが判定できます。さらに、皮膚特性の計測方法の改良も行なっています。これまでの皮膚の硬さの計測方法は、爪も含めた指全体の硬さの計測でしたが、触覚受容器の分布を考えると皮膚表層の特性を評価すべきと考え、OCTと呼ばれる、指の断面図を撮影できる、いわば『指のCTスキャン』のような装置を用いて、皮膚表面の特性をより精密に計測する手法を現在開発中です。


 このように、個人の『触感』という主観的な感覚を、科学的なデータに基づいて定量化し、情報として扱えるようにすることを目指して研究を行っています。この研究が進めば、人の感性に寄り添った製品開発や、遠隔医療の質の向上、さらには熟練者の持つ『匠の技』の継承など、様々な分野での技術革新に貢献できると考えています。

Ongoing 本ページは進行中の研究をまとめたものです。結論や数値は更新される可能性があります。 最終更新:

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